The White Meadows(英題)を配信している動画配信サービス

『The White Meadows(英題)』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

The White Meadows(英題)
動画配信は2025年6月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

The White Meadows(英題)が配信されているサービス一覧

『The White Meadows(英題)』が配信されているサービスは見つかりませんでした。

The White Meadows(英題)が配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
WOWOWオンデマンド
アニメタイムズ
Roadstead
J:COM STREAM

『The White Meadows(英題)』に投稿された感想・評価

[涙を集める男が見たイランの寓話] 80点

モハマド・ラスロフ長編五作目。編集にはジャファル・パナヒ。主人公ラフマットは小さな島々を小舟で回りながら、冠婚葬祭から雨乞いみたいな儀式まで様々な行事に参加して人々の涙を集めている。どこまでも白い海辺の陸地、青から時に紫にまで変化する空、何も語らぬ静かな海という情景の美しさと相反して、そこに暮らす人々は伝統を重んじた生活と儀式の効能を信じており、宗教的過激主義、教条主義、女性差別、芸術や創造性の分野における重大な不正義によって息苦しさすら感じさせる。ラフマットは傍観者/観察者であって、その枠組から離れることはしない。井戸が塩水化した村では、ガラスの小瓶に"井戸の妖精"への願いを封じ込め、その小瓶を数十個ほど体に巻き付けて井戸の底に届けるという儀式が行われる。その役を押し付けられたのは小人症の男コジャステで、彼が期限までに戻れそうにないと悟るやいなや、参加者は命綱を切って彼を殺す。ラフマットは儀式の前日にも当日にもコジャステに会っているが、特に会話を交わさず、儀式も見ているだけだ。ある村では雨乞いのために、海に"花嫁"を送り出すという儀式が執り行われる。ラフマットは彼女に"それが運命なんだ"と声を掛けるだけで、嘆き悲しむ母親から涙を採取するのを忘れない。最も印象的なのは海を赤く描いたことで親族から拷問を受ける画家のパートだ。ラフマットは"取り敢えず青と言っておけ"と消極的に兄弟に加担し、後に追放された画家を引き取るものの、自宅では青と呼ぶまで走らせまくるという"再教育"を行っているのだ。また、この海の花嫁パートと画家パートを繋ぐ短いシーンとして、猿回しのパートがある。これは花嫁衣装を着た猿が芸をさせられるというものだが、上記二つのパートの橋渡しとなり、結局芸術家は権力者の掌の上で創作活動をしなければならないという象徴的なシーンとなっている。

あるとき、ラフマットは失踪した父親を探す少年ナッシムと一緒に旅をすることになる。しかし、これまでと同じ一人旅を乱されることを嫌ったラフマットは、適当な理由をつけて聾唖のフリをしろと強要する。涙収集に慣れていない彼の方が観客の目線に近いわけだが、そんな彼が作中で受け続ける仕打ち、特に彼に対してなんの興味もないラフマットから受ける仕打ちのグロテスクさには参ってしまう。
4.0
【モハマド・ラスロフの意外な側面】
ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞し、先日行われた第77回カンヌ国際映画祭にて審査員特別賞を受賞したモハマド・ラスロフ。初めて観た彼の作品『Manuscripts Don't Burn』がアスガー・ファルハディ寄りのイラン映画で、内容はともかく相性が悪かったので敬遠していた。しかし、ここに来て観ておいた方が良さそうな気がしたので『The White Meadows』を観た。意外というか、深刻なイラン政治が『Manuscripts Don't Burn』のような作品を作らせたのであって、実際はもっと伝統的なイラン映画の豊かな画の中で社会批判をする作家であることが分かった。

本作において船が独特な役割を果たしている。船を漕いで男がやってくる。地平線がグラデーションによって透過しており、心象世界のように思える場所から人が降り立ち、儀式的な群れの中へと入っていく。小瓶に涙を集め、死体を海に捨てる。独特な地上の景色を映画は捉えていくのだが、やがて生贄として女が海に運ばれる残酷な描写へと発展していく。女は「結婚したくない、死にたくない」と叫びながらも引きずり出され、炎がぽつぽつと灯っている海へと運ばれていく。群れが一定の方向へ儀式を行う際の荘厳さと怖さが静かにと伝えられていく。

正直、画が強烈過ぎて内容が脳裏を剛速球で通過したのもあるので、日本でラスロフ特集された際に再度観直してみたい作品であった。