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モロッコ、彼女たちの朝のクリームのレビュー・感想・評価

モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)
3.8
イスラム圏の国では、女性の地位は低く、女性の犠牲の上に成り立っているのだと改めて問題提起をしている映画なのだそうてす。それを踏まえて、観ると見易いと思います。
妊娠中のサミアは、美容師の職と住む場所を失い、 大きなお腹でカサブランカの街を職を探し歩いていた。 ある晩、幼い娘を育てながら小さなパン屋を営むアブラが、 見かねてサミアを家に入れる。 夫を亡くし二人きりの母娘の生活がサミアによって変化して行く。未婚の妊婦や未亡人に対する冷遇は、本当に腹立たしく、同じ女性でもその立場にない人達は、彼女達を下に見ているのが映画からも感じ取れました。こう言う世界がある事に憤りを感じる映画で、勉強になりましたが、サミアの情報がもふう少しあるともっと感情移入出来たかな?とは思います。




ネタバレ↓




モロッコでは婚外交渉と中絶が違法なのだそうです。未婚の妊婦は「逮捕されていないだけの犯罪者」で、病院で出産したら警察が来て逮捕され、産まれた子は「罪の子」として周囲から虐げられます。罪の子は社会保障等の権利を受けられず、確実に厳しい人生を強いられるそうです。そして、夫と死別・離婚した女性の社会的地位も非常に低く、アブラも社会的弱者なのだそう。そんな2人がお互いを変えて行き、寄り添う姿は、観ていて嬉しくなりました。サミアが、養子に出す事にこだわったのも子供の幸せを願えば解らなくもない。でもモノとして売りさばかれる可能性もある。悲しい選択てすね。ラスト、眠っているアブラ達を起こさない様に、アダムを抱いて家を出るサミア。きっと、この家にいては二人に迷惑がかかると思っての事だと思いますが、 彼女の向かう先は養子縁組の施設なのかどうかは明かされません。サミアの妊娠の情報もないし想像がしにくいんですよね。どちらにしろ簡単な事では無いのだけは解ります。

これは、どうでも良い事なのですが、モロッコの赤ちゃんって、あんなに産まれた時からしっかりした顔立ちなのか?出来上がり過ぎててちょっと怖かった。体は赤ん坊なのに顔が大人で違和感でした。ごめんなさい。CGなのかな?
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