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息子の面影のsnatchのレビュー・感想・評価

息子の面影(2020年製作の映画)
4.2
これは現実なのか…と身を引いていた、力作。

親切なメキシコ人が繋がっていくのに…こんなに水が澄んでいるのに…こんなに木々があんなに星が煌めいているのに…
あちこちに地獄の口が開いている
地獄の使者は同じ国の人同じ人間…

無法地帯のメキシコ🇲🇽
ネットで少し見たが、壁が建った米国との国境付近で待機している移民は出稼ぎだけが目的ではなく、この国の止まらない治安の悪化に身の危険を感じ逃げたいという理由もあるそうだ…この映画を見終わると頷くしかない

映像は力強い!不安な不穏な空気を全時間持続していた。少年を探す文盲のお母さんのアップと後ろ姿が続くのだが常にその息子への心情や意志が自分の隣にいるかのように感じられた。

遠くの光りがぼんやりしているのは、自分の周囲しか見えない、そこ以外にまで気を回す余裕は一滴もないんだと思った。

また、言葉失うあの場面の創り方…音の入れ方…監督の全身の思いが創造に総毛立たせるように漲っている。ほんとアイツらは◯◯そのものだ⚫️
なぜこの人たちが悪に吸い取られていかなきゃいけないんだというこの土地の不条理が極まりない。低予算映画のため女性監督が脚本編集製作もこなしていた。自分の国を炙り出し世界にサインを送っている。
救われる日は来るのだろうか…絶望が限りなく続く

✨2020年サンダンス国際映画祭観客賞と審査員特別賞受賞しています✨
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