みちたろ

ポゼッサーのみちたろのネタバレレビュー・内容・結末

ポゼッサー(2020年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

『アンチヴァイラル』より格段に面白くなっていて驚いた。『アンチヴァイラル』はなんだか全体的に気取っているというか、父クローネンバーグみたいな視覚的な楽しさが全くなくてつまらなかった。しかし、今作はSFとボディホラーを上手く融合させており、正式に父と同じレベルに達したなと思った。

何より、主人公の女性が殺人によって家庭という束縛(そして罪悪感)から解放されるというなかなかヤバいストーリーをかなり手堅くまとめているのは凄い。元夫との行為中に暗殺のときショットが挿入されたシーンは本当に鳥肌が立った。他にも、主人公が家の前で暗殺対象を真似るときと同じように台詞を練習するシーンなど、彼女の家族に対する負の感情が簡潔かつダイレクトに描かれていた。

非常にテンポもよく、クローネンバーグファンは必見の1本に仕上がっている。『インフィニティ・プール』がますます楽しみになった。
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