ハレルヤ

83歳のやさしいスパイのハレルヤのレビュー・感想・評価

83歳のやさしいスパイ(2020年製作の映画)
3.6
83歳のおじいさんセルヒオ。妻を亡くしたばかりで孤独な老人だった彼が、老人ホームで虐待が起こっているかもしれないという実態を調査すべく、人生で初めてスパイとして潜入するドキュメンタリー映画。

スパイを題材にした映画は数あれど、老人がスパイ。しかも83歳で初めての潜入捜査。探偵事務所からの求人で応募したセルヒオは、生きがいを探しての挑戦。それをドキュメンタリーとして捉えた内容。

おじいさんあるあるの電子機器の使い方知りません状態からスタート。暗号もターゲットの名前も忘れる。連絡取る電話も大声でやっちゃう始末。普通にエンタメ映画だったとしても十分面白くなりそうな形でしたね。

本来は潜入捜査が目的のセルヒオでしたが、持ち前の性格の良さで、入所者たちの相談相手となり信頼を得ていく。

そして彼が任務の最後に出した報告が本作の核心。家族の絆の大切さが欠如した今の世の中へのメッセージとも感じ取れます。

ドキュメンタリーとはいえ、施設で撮影してたらバレるだろと思っていましたが、本来の目的は伏せて職員と入居者の様子を撮るためというお題目だったそう。そして本チャンの撮影の2週間前からずっと撮っていたので、カメラがあっても違和感ない空気作りをしていたとの事。

1時間半ほどの短い時間にまとまっているので見やすいのも良いポイント。そんなメチャクチャ面白い感じではないですが、一風変わったドキュメンタリーが見たい方ならお勧めです。
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