Carly

サンドラの小さな家のCarlyのレビュー・感想・評価

サンドラの小さな家(2020年製作の映画)
4.0
無慈悲な社会に追い詰められ、自分の弱さをさらけ出せるだけの信頼できる人もいない。そんなサンドラが子どもたちの為に"家を建てる"ことを決めた。
捨てる神あれば拾う神あり、とはよく言ったものだと思う。全てに見捨てられたように思えてもそうではない。彼女と子どもたちを救おうとする"何か"が少しずつその手を差し伸べる。誰も守ってくれない、それは誰も彼女を知らないから。知っていても助ける術がないから。その描き方がとてもリアリティに満ちていて涙が止まらなかった。

アイルランドの現実は映画が映したようにシビアなものだろう。クレア·ダンの感じた憤りが、哀しみが、スクリーンから犇々と伝わってくる。(これは彼女の友人の話が脚本の元になっているそうだ)
"Herself"、それは彼がどんな暴力をもってしても奪えなかったものだ。彼女は諦めなかったから。ラストのタイトルバックの重みがずしりとくる映画だった。
Carly

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