安堵霊タラコフスキー

ナイトメア・アリーの安堵霊タラコフスキーのネタバレレビュー・内容・結末

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

個人的にはギレルモ・デル・トロ作品だと一番楽しめた映画。

とある詐欺師の栄枯盛衰を描いた話としても良かったけれど、やはり豪華俳優陣を有効活用できていた点が特に惹かれたところで、人を騙すことが主題の映画だけに騙し合いとしての演技合戦は非常に見応えがあった。(中でも主演のブラッドリー・クーパーとケイト・ブランシェットの掛け合いが絶品)

トッド・ブラウニング的な世界観の前半からオーソン・ウェルズやウィリアム・ワイラーの作品にも近い雰囲気の後半への転回にも意外性が感じられて面白く思えたが、これは予告編を少し覗く程度に止めて事前情報をあまり得なかったことも功を奏したと言えよう。

でもこの作品を鑑賞していて頭を過ったエルマー・ガントリーもそうだけど、他人を上手く騙せた結果待つのが手痛い末路と考えると、サイコパス的な世渡りっては割に合わないなとつくづく思う。