レジェンド呼子

ナイトメア・アリーのレジェンド呼子のレビュー・感想・評価

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)
3.6
結構ムズかしかった……

超能力(に見せかけたトリック)を披露する見世物サーカスと、そこで人を巧みに騙しこむ技術を会得して成り上がり、転落していく男の話。思ったよりグロいしエロい(ただし熟女)。ブラッドリー・クーパーの無修正ち○ちんも見れます。

超能力者が登場するファンタジーホラーものだと勝手に思い込んでいたけど、フタを開けてみれば本格的な"人間ホラー"でした。周囲にウソをつき、人を騙しつづけた人間の末路。一概にフィクションとは言い切れないような、「昔、こんな感じのことが本当に行われてきたんじゃないか?」と思ってしまうような、ちょっぴり生々しさのあるコンセプトなのが妙に怖かった。人間って怖いね。

雰囲気然り、刺さる人にはとにかく刺さるけど、刺さらない人にはあまり刺さらない映画だったかも。自分はどちらかと言えば刺さらないほうでした。序盤の走り出しがだいぶスローペースだったためか、中盤で二、三回寝オチしかけた……(何とか持ちこたえはしたけど)。クライマックスにかけてはスリリングな展開が連続していくから、終盤はノリノリで観てました。オチも不気味で最高。

他の人のレビューを見た感じだと、自分はこの映画に仕込まれた哲学を完全に把握できてないっぽい。たしかに個人的に消化できてない伏線みたいなもの(三つ目の赤ちゃん「エノク」は一体何だったのか……など)もたくさんあったし、これはまた改めて観る必要がありそう。結構ややこしい映画でした。子供舌の僕にはまだ分からない味だったかも。

そしてウィレム・デフォー、この手のサイコ上司の役柄マッチしすぎて怖い。顔も怖い。