ギレルモ・デル・トロ監督のネオ・フィルム・ノワール。
ファムファタールを勉強したくて視聴。
世間のイメージでたびたびオタク監督と称される監督。ダークな映画美かつ不気味なモンスター造形、唯一無二のファンタジー世界を創りだす大巨匠。
しかし、個人的には唆られないんだよな...
視覚的表現の監督のオタク自意識が強すぎて「うわーオタクだぁ」となる。
なんかギレルモ監督を育んできたカルチャーと、監督が一体化しすぎてて、ストーリーも映像も物語の類型から飛びだしてこない感じ。
「新しい物語をみせてもらった」という種類の感動はなく一定の面白さを超えてこない印象がある。
でもこれは私自身がオタクであり、かつ普段から美術系を見慣れてるせいもあり、味覚障害になってるだけかも...。
ノワールによくある“男らしい”男性ではなく“有害な男らしさ”に葛藤する男性を主人公に描いてて、めっちゃ良かった。アルコール依存症、機能不全家族、『男』の象徴『金、権力』に惹かれていく様子が、主人公本人も自分の問題に無自覚なまま人生が転落してっていく様がリアル。
まぁ、あのラストの後も人生続くもんな!
『ファムファタール』も男にとって都合のいい女性像ですからね。主体的に動くファムファタールたちが映像で観れて満足。