もも

聖なる証のもものレビュー・感想・評価

聖なる証(2022年製作の映画)
5.0
傑作。ラストで震えた。
物語の力。内と外。

全員、物語によって生かされてる。物語から逃げられない。冒頭のメタ的要素が、文脈の解釈を広げてきて世界の礎が揺らぐ。

神の『奇跡』を体現した少女の話。
謎の正体は中盤で明かされるがその理由に迫るのが本番。
少女がなぜ断食をしてるのかは、教会の打算、コミニティの抑圧があると序盤から薄々分かってくるが、いや参った。

よくある加害VS被害の構図ではなかった。「あいつが悪いんだ!」と単純化された構造ではない。視聴者を安易な共感に誘いこませない。私は悪くないんですと正当化のネタにもしない。その背景、社会構造まで触れている。

誰もが生きるために『物語』を信じている。

もう一度観たい。もの凄い作品に出会えた。
原作もあるので読んでみよう。
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