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ナイトメア・アリーのyunのネタバレレビュー・内容・結末

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

最初から全てに伏線が張られているような気がして、ずっと気を抜かず見入っていた。序盤でギークが出てきて、キツいなと思ったが、その後はそこまでグロテスクなシーンはなく、まだ良かった。
1940年あたりのアメリカでは、大衆娯楽として見せ物小屋でこんな非人道的なことをしていたのか、という嫌悪感ある事実。同意した人とは一度も…という言葉に愕然かつ納得。

最初、読心術を学び主人公が成功すると気持ち良さすらあった。多くの人が悩み苦しむ問題はある程度は似たり寄ったりで、そこに目で見た情報の把握力の高さ、堂々とした人を惹きつける華があれば、割りと誰でも人を大いに騙せそう。悩んでいる人は隙があり、過去に苦しむ人は藁にも縋りたい盲目性もありそうだから。ただやはり、そこにつけ込んでものめり込んでも本当の人生を失うことになる。

最後まで観ると、最初ギークに哀れみの気持ちをかけていたのは、無意識にも自分を重ねていたからだと分かる。伏線回収は見事。ケイトブランシェットはとにかく妖しく美しかった。気持ち良い映画ではないが、見応えはある。
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