本作はキャラクター映画。MCUの今までの作品を通じて好きになったカマラ、キャプテンマーベル、モニカの絡みを見るのは本当に楽しかった。正直、物語本筋よりも断然彼女らの絡みに関心があった。というか、物語に興味が湧かなかった。キャラクターを見るという楽しさとストーリーのすばらしさを両立していた理想形がインフィニティーウォーだとしたら、本作はキャラクターに注力しすぎて物語がおざなりになってしまった例という感じ。
本作の醍醐味でもある主人公三人の入れ替わり能力に関する理屈がよくわからない。アクションはごちゃごちゃしていて見ていて混乱するし、肝心の対峙する敵キャラクターはどこかで見たような造形で全く魅力がない。全編に渡って緊張感が無いし(キャプテンマーベルが強すぎるから？)、印象に残る舞台も登場しなかった。ちょっと変わった文化があるが見た目は地球そっくりな惑星と、今まで何度も見たような面白みのない宇宙船内部中心で物語が進む。
とはいえ、見ていて楽しい作品だった。明るくて、ポップで、猫も出てくる。エンタメ作品としては悪くない、が、心には残らない。見返したいとは思わないかな。
