ぎゅう

ファーザーのぎゅうのネタバレレビュー・内容・結末

ファーザー(2020年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

冒頭から哀しかった。
けれども温かくて引きこまれる。
徐々に時間と記憶が前後に入り乱れる様がどんどん強くなる

本人はいたって正気
その正気さは本人の視点で観ると頷ける。
どこも狂っていないのに
周りはまともに取りあわず、
きちんと耳を傾けてはくれない。
その傾聴には辛抱と苛立ち、
老人への憐れみと慈悲。

痴呆の度合いが徐々に強くなっていく様や
被害妄想と突然のヒステリー。
至って正気のつもりなのに
記憶や時間が不確かになる様と
そこからくる本人の不安が
ありありと感じ取れて苦しかった。

けれども、
痴呆になっていく人の
視点で物事を捉えることができて
身近な人に
その時が来たら
優しく寄り添えるんじゃないだろうか。
来てほしくないけれど。

アンソニーに大丈夫だよと
寄り添いたくなる
ぎゅう

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