パドゥ

ファーザーのパドゥのネタバレレビュー・内容・結末

ファーザー(2020年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

こんなに集中が途切れず入り込んで観たのは久しぶり。
出だしから引き込まれる。
大泣きして見終わったあとドーンと沈んで、しばらく放心してしまった。

アンソニー・ホプキンス、言わずもがな、すごいなぁ、ほんまに。
このお歳になっても衰えるどころか、目玉のような細かいところまで抜かりないのに、自然な演技に引きずり込まれた。
それにしても役名がアンソニーなのが気になってしまった、なんで同名にしたのやろう。

最初は何がなんだかわからない展開に戸惑うが、これが認知症の人には日常的に起きるのかと思うと、なんとも言えない。本人も辛く、余計に頭が混乱しそう。
最後に子供に還って、母親を求めたのはすごく自然なことに思えた。

私事だが、古希を過ぎた両親は2人とも幸いフルで働いているけど、辞めたら急にボケるのだろうか…
現代人のライフスタイルでは介護は難しい。
ましてや親のボケた姿なんて見てたらこちらのメンタルもやられる。
アン(オリヴィア・コールマン)みたいな大人な対応をする余裕がはなくなりそうだし、ボケた親に怒って自己嫌悪、なんてことになりそう。

認知症になると、お金やものに執着するようになると聞くから、アンソニーみたいに取られただ、なんだと言うんだろうな。
怒りっぽくなって、下の方もメチャメチャになるとも聞くから、実際はもっと大変で、施設しか道はないように思う。
パドゥ

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