このレビューはネタバレを含みます
どの役の俳優さん達も良かったけど特にアンソニーホプキンズの演技が凄すぎた。
アップダウン、コロコロ変わるどの表情もリアルで魅力的だった。
ストーリー自体は鑑賞者を混乱させるような構成だけど、彼の演技力でストーリーに引き込まれていった。
ただ、物語の構成はもう少しやりようがあった気もする。
認知症の患者さんの気持ちを表現するために時系列や事実、登場人物をぐちゃぐちゃに織り交ぜていたのかもしれないけれど、ぐちゃぐちゃなりにもブレない芯みたいなのがなかったので少し観にくかった。
最終的に娘は本当にパリに引っ越していて、間にパリに住むわけがないと娘が言うシーンがあったりと、最後のネタバレに対しても事実と違う記憶がねつ造されていた。
もちろん、認知症の方の辛さを表現させるためという事は理解もできるが、何重にも観ている側を混乱させる必要はなかった気がした。
とはいえ、老いや家族について考えさせられる良い映画だった。
