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コレクティブ 国家の嘘のsashaiceのレビュー・感想・評価

コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)
4.1
●国家は必ず嘘をつく。メディアが国家権力に屈したら国民は国家に虐げられる●ジャーナリズムは世界を変えることができるか?個人の強い意思で社会は変えられるか?64名の命が失われたライブハウス火災事件を発端に、ルーマニアに蔓延る根深い製薬会社、病院、政治権力の癒着の連鎖が浮き彫りになった。

全てを飲み込む巨大な国家政治ぐるみの腐敗と対峙したときに、個人の声などあまりに無力に感じてしまうが、ここで出てきたスポーツ紙記者のトロンタンが野心を持って
暴いた"国家の嘘"は、これこそが世紀のスクープ!とも言うような偉大なものに感じた。そして「僕がやったことが少しでも残るのかな」と漏らした保健相の大臣は医療と政治を切り離すなどの政策を取り入れて"殺人病院"にメスを入れた勇気。彼は無力なんかじゃないと、彼のような野心家が大臣になる時点でまだまだ全部は腐ってないと思った。ジャーナリズムと権力をテーマにした作品の中では調査もよくされていて、大変意義深い作品でした。
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