ベルベー

アシスタントのベルベーのネタバレレビュー・内容・結末

アシスタント(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

欧米は日本と比べて声を上げてるから凄い…なんて話もあるけど、それだけ酷い仕打ちを受けている人が多いことの裏返しでもあり。実際のところ?世界中同じようにハラスメントだらけだと思いますよ。欧米もアジアも等しくカス。

こんなことしないと映画完成しないなら映画なんて作るべきではないが、本質的には我々楽しむ観客がいるせいでこんなことになってるのだから、本当は映画なんて観るべきじゃないよな〜。去年は邦画界の醜聞が沢山世に出たけど、ハリウッドも最悪なことを、ストライキとかパレスチナに対する態度とかで痛感した。しんどい。映画観るのやめようかな。て言いながら、趣味がこれくらいしかないから観ちゃうんだけどね。搾取の上に成り立つ映画を観るのって楽しいなあ!

終始、あるあるなハラスメントが延々と続き心が挫ける。主演のジュリア・ガーナーがまた上手くて、心が挫けた表情が真に迫りすぎて観ていて病んでくる。周囲の社員もまた…男女共にあるあるハラスメント放置仕草。「何かあったら頼ってね」って、何かあるのを見て見ぬフリしてるその口で吐くとか。あと、仕事の会話内容にクリエイティブの欠片もないのが笑えるやら腹立つやら。映画ってこういう風に出来てるんですよーってか。

その中でもズバ抜けて鬱になるのが、主人公が決意して人事?のオッサンに告発しに行くシーン。このオッサン役の俳優が上手いしシチュエーションも台詞も最悪で酷く落ち込む。薄っぺらい笑顔貼り付けて、決死の訴えを握り潰してくる。会長にしっかりチクってるし。落ち込むのって、現実の人事部ってこんなヤツばっかりだから。告発なんて意味ないよね。全国の頑張って仕事してる人事部の皆さんごめんなさい、でも人事部ってこういう部署でしょ?

最後まで救いがないが、だからこそしっかり面白くエンタメしてた「SHE SAID」より誠実な作品だと思った。現在進行形で虐殺を見て見ぬフリする人々が評価される業界だからね!嘘つき!
ベルベー

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