青山

ライムライトの青山のレビュー・感想・評価

ライムライト(1952年製作の映画)
4.2

チャップリン後年の作品。

落ち目の元喜劇スターが、自殺しようとしたバレリーナを助け、そこから2人で暮らし始めるお話!

これまでいくつか観てきたチャップリン作品はどれも喜劇の中に風刺やラブコメを織り込んだものでしたが、本作は喜劇役者の物語ではあれど喜劇ではなく、コメディとして笑えるシーンは皆無。
むしろ、主人公が喜劇役者として見向きもされなくなってしまったのを表すため、ギャグがとことん滑ってるのがいたたまれなく残酷です。
なんせ60歳を超えて、実際にアメリカで干されてからの作品ですから、主人公のキャラ設定にも語られる人生観にも強い説得力があり、めちゃ泣けました。
人生は悲劇って観点もある上で、それでも希望を見出して生きていこうって感じなので、感動的だけどお涙頂戴な感じはあんまりないというか。
ストーリーの展開の仕方もめちゃ上手いっすもんね。ヒロインがチャップリンに惹かれるのにも一定の説得力があるし、2人の関係性の変化とか、イケメンの絡ませ方とかも絶妙。全ての場面にエモみがありました。
終わり方も好きです。終盤にキートンとの共演があるのもまた泣けますよね。
青山

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