たむ

短い労働の日のたむのレビュー・感想・評価

短い労働の日(1981年製作の映画)
4.1
労働者のデモを起こされた側から描く作品です。
ポーランドの連帯運動が描かれるわけですが、労働者側からの映画はアンジェイ・ワイダ監督などがよく描いています。
キェシロフスキ監督がこの映画で書記の視点から描く事で、その上の階級の恐ろしさが強調され、共産主義構造の歪みがより深い部分で伝わってきます。

デモも起こされる側の視点で見ると、建物が囲まれていくシーンは怖いですし、上との板挟みは中間管理職的な葛藤があります。
当時、テレビ映画として製作されながら、検閲で放送禁止、キェシロフスキ監督が亡くなってから放送されたという曰く付きの作品で、そういう背景からも本作のテーマ、リアリティは伝わりますね。
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