けんせ映画バカ

ビバリウムのけんせ映画バカのネタバレレビュー・内容・結末

ビバリウム(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

物語に関して言うと、オープニングを見ればほぼわかる。カッコーの托卵、これを人間に置き換えたらどうなるか。映画終盤もこの謎解きに収まっていく。
良い映画はオープニングを見れば分かると聞くが、これは分かりやすい笑

理不尽スリラーと無機質な映像がとにかく合っていて見応え十分。あの空虚に広がるヨンダーの街は、何とも言えない作り物感があって非常に面白かった。

この映画は見て楽しんだ後、考察を楽しむ映画。

奴らが人間を呼び寄せるあの家は、今の時代よりも前の、いわゆる大量生産大量消費のアイコンのような一軒家。それだけでなく、夫婦と男の子というその家族構成も、いわば一昔前のもの。
奴らがもし時代を経ているのならば、その時々によって誘き寄せる餌を変えているかもしれない。そうなると我々の価値観は、いくら多様性が広がっていても、結局この価値観が多数派だということか。
もしくは、奴らが人間よりも先に居て標的を人間に変えた場合、あの誰もが一度は見たことのあるあの家は、人間ではなく奴らが作ったのか…ということは我々の価値観は奴らによって支配されているのか…

通常托卵という物は自然の中のもので、托卵された方の親鳥は自分の子どもとしてせっせと育てる。しかし人間は、そこに理性が働くことによって、明確な拒絶をする。これは人間が明らかに自然から反しているもの。実は自然(野生)に近いのは、奴等なのでは…そういえば、奴らの観測していた過去の人間の中で、行為に対して拍手してたな…そこは人間も一緒なのかと拍手してたのか…⁈

なんちゃって笑
けんせ映画バカ

けんせ映画バカ