eulogist2001

春を告げる町のeulogist2001のネタバレレビュー・内容・結末

春を告げる町(2019年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

震災後6年の広野町の様子を描く。
消防士やその家族。高校の演劇部の復興をテーマにした演劇。復興のための祭りの復興に向けた老人たちと役場のやりとり。それぞれが思い思いに頑張っている。

こうした復興モノのドキュメンタリーは映画もTVでもそれなりにたくさん作成されている。そしてそうした作品へのコメントはなかなか日本人としては忖度への同調圧力を感じて難しいのだが、備忘録として記す。

・作中の高校生の演劇と一緒で焦点が定まらず、昭和四十年代の「新日本紀行」を観ている気になった。しかもその中でも時として放送されてしまった中身の無い駄作。
・演劇部のひとりの娘がなにやら激情して語り出してしまうが、まさにそんな感じ。どこにでも一人はいる感情に支配されて動くことがカッコ良いみたいなひとりよがりの面倒くささを感じた。テーマに焦点や起伏がない分、なんとも気持ちのやり場に困る類い。
・編集にもう少し気を配れば違った作品になったのかもしれない。延々と続くピアノの音響もわざとらしい。むしろないほうが良かった。演劇部に応援で指導に来ていた演出家の意見を監督こそきちんと理解しておくべきだっただろう。
・出演者たちあるいは撮影された人々はきっと満足できる作品である事には違いない。「あ、オレ、映ってる」というレベルで。
eulogist2001

eulogist2001