ぽんずぼん

佐々木、イン、マイマインのぽんずぼんのレビュー・感想・評価

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)
4.8
ずっと観たかった作品。

自分の人生に佐々木はいない。
近い人はいるけど似た人はいない。
そのためか、フラットに観られました。

自己への投影なんですよね。多分。
悠二は佐々木のことを回顧しながら、彼の生き方を自らの現状に重ねて生きようとする。
高校を卒業してから1回しか会っていないのに…
それほど佐々木は影響を与えていて、時は経っても悠二の心の中では常に生きていた。

佐々木!佐々木!佐々木!佐々木!佐々木!
佐々木!佐々木!佐々木!佐々木!佐々木!
彼の生き方に圧倒されました。
情熱と葛藤の塊で、どこまでも芯がある。
時に映画は完璧な人間を生み出すけれど、佐々木は完璧よりも真っ直ぐな姿勢に拘る。
好きな本、好きな曲、好きな人、そして考え方。
すべてが気になって仕方がなかった。
あの約2時間の映像で佐々木が伝わるのだから、本物の悠二はもっと佐々木を感じていたはずだ。
肌で味わいたいとさえ思ってしまった。

ただ、主人公は石井悠二でした。
最初から最後まで石井悠二が主人公。
だからこそ感動が生まれたんだと思います。
藤原季節さんで観られて良かった。
ユキが萩原みのりさんで良かった。

正直、似た作品である「くれなずめ」にハマれなかったので不安はありましたが、新宿武蔵野館で観賞できて本当に良かったです。
佐々木たちから強く熱い勇気を貰えました。
この勇気をどこで使うのかは分からないけれど、悠二にとっての佐々木のように「佐々木、イン、マイマイン」が自分の心に長く残ると思います。
また近いうちに観たい。絶対に。

「できるからやるんじゃないだろ。できないからやるんだろ。」「やりたいことやれよ。」

追記。(2021/12/14)
新宿武蔵野館にてまた観賞しました。
2回目だと佐々木についてある程度は知っているからなのか、変な所で泣けてしまいますね。
最初よりも俯瞰して観られたので良かったです。
カラオケを後にする苗村さんがめちゃ好き。