佐々木、イン、マイマインのかなみのネタバレレビュー・内容・結末

個人的な郷愁や絶望で終わらない、佐々木という人間がいたという事実。なんだか妙な没入感がある映画だった。形だけの現在への帰結で終わらない連続性こそが、この映画をありふれた青春映画とは一線を画す部分だろう。
デッカイ声で馬鹿みたいに騒いで、あいつの名前を呼びたくなる。佐々木という人間は、青春の象徴に収まらず、しかし未来を指し示す希望でもない不思議な存在である。しかし、どうしてかずっと忘れないでいることが分かる。そういう意味では圧倒的なヒーローなのかもしれないが、ヒーローは決して死なない。友達はいつか死ぬ。やはり佐々木は最高の友達なのだ。

ラストの一連の展開も素晴らしいが、やはり悠二が佐々木の部屋で彼の死に直面するシーンは素晴らしい。