このレビューはネタバレを含みます
すごくよかった。たくさんの個人の姿の集積で世の中を描くかんじ。
事故が起こるまでの、ライバル意識と仲間意識がないまぜになったヒリヒリしてるけど人肌の温もりのある階段の空気感がいい。タイピング音で個々の能力の程度が暴かれる描写もすごい。
結局事故の責任の所在は(映画の中では)はっきりしなくて、質問に答えかねた警察署長が記者に「彼女に話を聞いてみては?」と促して終わる。この女性というのが映画のはじめで一番乗りで待ち続けていた人(終わりでは事故があってなお雇われようとして部長が出てくるのを待っている)。
年齢はさまざまだったけどdonneじゃなくてragazzeを使っていた。普通のことなのか、それとも何か含みがあるんだろうか。
タイピング音を混ぜ込んだ劇伴がおもしろかった。
昔のイタリアの紙幣のデカさにはいつも圧倒される。