うめ

ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩のうめのレビュー・感想・評価

4.3
予想してた映画とは
まったく違った。
もっとJAZZを深掘りした作品かと
思ってた。

いい音とは何か。
いい音楽とは?
デジタル時代に問いかける。

人があっての音楽。
菅原正二氏が人をひきつけるのは
彼自身がJAZZだから。
そして、
「ベイシー」全体が
ひとつのステージであり楽器でもあり
彼は演奏家なのだ。
なんと魅力的な人だろう。

僕は偶然にも彼のひとり娘の菅原わとを
よく知っている。

料理研究家である彼女。
人をひきつけるところ、
明るいところ、
こだわりをあきらめないところ、
すべてが瓜二つ。

だが、彼女は残念ながら
去年旅立ってしまった。

最期の日々を彼女は
家族と静かに過ごした。

最愛の娘が自分より先に旅立つと知って
父はどんな気持ちだっただろう。
人生は残酷だ。

もしかしたら撮影の最終版は
知っていたのかもしれない。
ドラムを叩く姿に
ふとそう思った。

でも、
暗いエンディングは
あの親子には似合わない。

まさにショウマストゴーオン。

人々の思いを乗せて
「ベイシー」は続く。
うめ

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