amin

エルのaminのレビュー・感想・評価

エル(1952年製作の映画)
4.0
男の異常ぶりを女の回想で語っていくが、これがどうなるか分かっていても、惹きつけ続けて見せる上手さがあった。ブニュエルは胸の方が好きなのかと思ったが、これは足の映画であった。『ガス灯』と同様に、序盤は周りの理解が得られず孤立して追い込まれていくストーリーはやっぱり面白い。牧師が理解してくれないことや、序盤の教会が男との出会いの場であること、そして修道院のラストシーンまで、宗教自体ではなく、そこにいる人間を懐疑的に描くブニュエルの気骨さが心地よい。
混乱した主人公が階段を左右に揺れながら登るところが、ラストシーンにまで繋がっていて、構成も非常に上手い。
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