就職も決まり、卒論を残すのみで手持無沙汰な毎日を過ごす大学生の主人公と友人たちの間におこる細やかな変化を捉えた作品
原作は未読かつ、あらすじしか読んでいなかったのですが、静かなる秀作でした。
最初のシーンこそ、この空気のまま進んでいったらどうしようかな…と思ったのだけど思いがけないストーリー展開
何より、どこか覇気のない若者たちの心の内が少しずつ明らかになる度、その隙間からこぼれ落ちる誠実さに思わず涙してしまった。
皆が器用に世の中を渡り歩けるわけではない。
まして人生経験が豊富とはいえない、この年頃
よすがのない想いを抱えたまま生きていくこと
他者と関わること
そして邂逅
生きていくことは大変というか…ままならないけど、それを忘れたくないなぁ。
どうか、自ら踏み出した一歩は信じてほしいと思った。
エンディングが小谷美紗子ってのが説得力が増しますね。
軽やかなリズムの中に色んな気持ちがギュッと詰まっていました。
独特の間合いで、それぞれの自分に寄り添うよな演出やカメラワークも好みだったし、
役者さんはもちろん、監督さんも原作の作家さんの誠実さがきちんと伝わってきたので
見逃さなくて良かった。