RYUYA

DAU. ナターシャのRYUYAのレビュー・感想・評価

DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)
4.0
ソビエトの"ある研究施設"の「食堂のおばちゃんが主人公」というとかなり柔らかく聞こえるけど、本編は全くそんなことはなく、開始数分の「女同士のガチしばき合い対決」にグッと持ってかれ、あっという間に最後まで観れてしまった。音楽無し、全編手持ち、シーンは5箇所くらいだし、ストーリーはあるようで無く、そもそもの説明も無い。非常に無愛想な映画である。事前にこの「DAUプロジェクト」というものを調べもしなかったから何も分からず、ただただその冷たく閉鎖的な空間の中で行われてゆく暴力、セックス、排他、思想的な会話をひたすら見聞きしていた。確実に初めての映画体験だった。場面は非常にミニマムだが、背後に渦巻く怪物的な闇がずっと漂っていて、なんか怖いのよ。なんか知らんけど、『神々のたそがれ』や『インポート/エクスポート』という映画を想起した。どっちもイカれた映画だが、この後に観た『DAU.退行』でもっとグチャグチャにされるとは...。続く。
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