おとうふ

マイ・ニューヨーク・ダイアリーのおとうふのレビュー・感想・評価

3.5
映画のあらすじを見てかなり前に原作小説を読んだことがあったことを思い出した。
その小説はつまらなくて離脱してしまったが。
映画の中でも主人公がサリンジャーを読んだことがないという発言に「オゥ…コイツマジカヨ…」みたいな反応を周囲はするんだけど、それと同じように当時サリンジャーフリークスだった私もそんな主人公と気が合わず読むのを辞めてしまったのだ。
しかしこの映画ときたらあのとき気が合わないと突き放した主人公がめちゃめちゃに可愛くて良い女の子に仕立てあげられている。女優さんが本当にかわいい。
そして、サリンジャーを読む女の子なんて、アメリやゴーストワールドが好きでスターバックスが好きでファッジを読んで洋楽かぶれに違いないと見透かしたばかりに、その層に刺さりそうなTheお洒落映画に仕上がっていた。
主人公の女の子は原作ではもう少し地味なイメージがあったが、この映画ではスタイリストでもついてんか(映画の現場にはそりゃいますよスタイリストさんそういうことではなく)と思うくらいやり過ぎにヘアスタイルやファッションが凝っていた。いやいつヘアアレンジする時間あってんとツッコミたくなる感じ。
この時代の出版社で働く女性としては現実的ではないと感じたが、お洒落映画として振り切るには素晴らしかった。
フラニーとそのボーイフレンドが駅で出会う描写をオマージュしたシーンがすごくよかった。
ロマンティックがこれでもかと詰まっていて、まさに乙女の脳のお花畑は満開だ。
良い映画でした。
おとうふ

おとうふ