suzu07

ペルシャン・レッスン 戦場の教室のsuzu07のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

実話と聞いて驚いた。
ユダヤ人の主人公ジルが生き延びるために、テヘランでレストランを開くことを夢見る大尉に出鱈目のペルシャ語を教える、というのが大まかなストーリー。
途中何回も偽ペルシャ人というのがばれそうになり、とにかくハラハラして目が離せない。
物語後半、ジルが書いたと思われる収容人のリストが燃やされる場面は、ジルや他の大勢のユダヤ人がいたという証を消し去るかのようだった。
しかし紙面は燃やせても、記憶は消すことが出来ない。
最後の場面、収容所にいた人の名前を覚えているかと聞かれる場面で、ジルは2840名の名前を言えると答え、涙を流しながら次々に名前をあげていく。ジルの紡いだ出鱈目なペルシャ語は、彼らの名前から創り出されたものであり、彼の命は2840名の命によって救われたとも言えるのだ。膨大な数といえども、誰が忘れられようか。その重みをジルは十分なほど知っている。だから泣かずにはいられないのだ。
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