クドゥー

少女☆歌劇 レヴュー・スタァライト 再生産総集編 ロンド・ロンド・ロンドのクドゥーのレビュー・感想・評価

4.0
『また再生産されるまで、永遠のような幕間がある』

煌めきを求めて舞台で戦う少女たちを描くテレビアニメ「少女歌劇レヴュースタァライト」劇場版は、いかにもブシロード然としたバックグラウンドに特化した語り口は消費的だが、戯曲に対する想いが楽曲に生まれ変わる瞬間を感じるミュージカル映画の傑作。

子どもの世界を大人の視点から俯瞰しているような台詞回しはやはり作品というよりもコンテンツで、視聴者の共感や投影を意識した作風はストイックを好む僕が望むものではないが、それが歌やダンスに昇華されることによって作劇とは一味違う文脈で流れてくる。

再生産総集編が自分の気持ちと折り合いをつけた者から敗れていくオーディションの切れ味を鋭くし、罪と罰に選ばれた者たちだけがトップスターを目指す資格があると残されるが、終わらないはずの物語に限りある時間を課す新章の続劇は報われるだろうのか。



鑑賞記録
2021.09.09
Amazon Prime Video
→九月九日は九九組の日。ということで最後のひとかき公開を前に、今年の暫定ベストで竜と決着をつけるべく再鑑賞。やはり衝撃的なのは劇場版での伸びしろだが、仮に続劇がなかったらと思うとゾッとする。
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