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青春怪談
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『青春怪談』に投稿された感想・評価

◎69年前に先取りしていたLGBTQ+なラブコメ

1955年 新東宝 モノクロ 104分 スタンダード
*少しホワイトノイズあるも鑑賞に支障なし

獅子文六が読売新聞に連載した小説を、新東宝で阿部豊が、日活で市川崑がそれぞれ監督して同日に公開されたことで話題のラブコメ。

*1 「青春怪談」で検索
ja.m.wikipedia.org/wiki/

物語の大筋は2つ。
1つ目は、それぞれ伴侶と死別した親を、その娘と息子が再婚させようと尽力する筋。

もう1つは、その息子と娘が果たして無事結婚にゴールインできるか、という筋だ。

【以下ネタバレ注意⚠️】







舞台デビューを控えたバレリーナ奥村千春(安西郷子)は妻を亡くし独り時計修理の趣味に没頭する父鉄也(上原謙)と、交際している宇都宮慎一(宇津井健)の母蝶子(高峰三枝子)と再婚させようと画策し、『くるみ割り人形』のバレエ公演で2人の席を隣り合わせるようにして内々の見合いを設定。

慎一は、資産家の父が遺したパチンコ屋やバーなどの経営、地代収入などで経済的に不自由のない生活をしているが、のんびり屋の母蝶子の尻を叩いて、人生哲学である「無駄を省いた生活」の実践に努めている。

一度の逢瀬で、すっかりのぼせ上がった蝶子に対して、鉄也は悠々自適の独身生活を楽しみ再婚話を拒否するので、若い2人は、親たちの再婚を勧めるためにも自分たちも結婚を急ごうという話になる。

ところが、ボーイッシュな千春には、妹のように可愛がっているシンデ=藤谷新子(江畑絢子)というバレリーナの後輩がいて、慎一のことを恋敵のように嫉妬している。

慎一に思いを寄せるバーのマダム船越トミ子(越路吹雪)の事務所で、共同経営者だからと慎一が千春と話しているのに出くわしたトミ子は嫉妬して、報復戦に打って出た。

新聞に、千春が実業家御曹司と後輩バレリーナの男女両方と性的な関係を持った両刀使いだと書き立てられたのだ。

慎一も、千春も、最初は記事の内容は事実無根と突っぱねていたが、慎一の家に「あなたの結婚しようとしている人は女ではなく男です」という手紙が来たことを知った千春はショックを受け、本当に自分は「男」ではないかとの不安が拭えなくなってしまった。

慎一の側でも、医師に意見を訊くなどしてリサーチし、千春に普通に生理があることを蝶子に聞き出してもらって、ひと安心。

ところが、シンデが病に倒れ、自分があの手紙を書いたと告白したことから、千春は再びシンデの思いを傷つけた自分の責任を感じて結婚を思い止まろうとする。

いつの間にやら、老親2人の方は先に結婚を決めたが、千春と慎一の結婚はしばらく延期することとした。

‥‥とまぁ、最初は「老いらくの恋」のコメディに始まったかに見えて、後半30分で一挙に「性自認の揺らぎ」、ハッキリと劇中でも言及される「同性愛」の可能性の問題を浮上させる問題作である。

さすがに、前者については、「人は誰しも男性性と女性性を、幾分かずつ持っている」という至極真っ当な結論に落着するが、後者については「だから同性愛は危険だと言ったんだ」とか「同性愛はイケナイが‥‥」などと常に否定的な文脈で語られている。

ただ、千春とシンデの同性愛だけでなく、バーテンダー丹波哲郎や、建築デザイナーはオネエ言葉の話者として登場し、巷に同性愛者が存在することを示唆している。

時代的な限界は大いにあるのだが、それでもLGBTQ+の問題について、皮層的な笑い話としてではなく、人間存在のあり方、1人の人間のアイデンティティの問題として正面から向き合おうとした点は、評価されるべきだろう。

合理主義者宇都宮慎一の自宅は、資産家にも関わらず、マッチ箱をつなげたような、ミニマリストに相応しい、ジャック・タチの作品に出てきそうな超現代的な住宅であることも面白かった。

古い和風住宅に住む奥村鉄也の悠々自適ぶりと と、このモダンハウスに住まわされている蝶子の息子に急かされる忙しなさも絶妙の対照になっていた。

上原謙は、老けメイクで、若干大根気味ではあったが、はっちゃけマダムの高峰三枝子は役にピッタリで、話が進むほどに、物語が広がっていく感じが楽しめる良作であった。

《参考》
*2 青春怪談(1955 阿部豊)
1955年4月19日公開、104分
moviewalker.jp/mv24092/

*3 ロマンティックで楽しい作品がようやく復刻
獅子文六『青春怪談』解説
山崎 まどか 2017年1月19日更新
www.webchikuma.jp/articles/-/467

*4 実録 亞細亞とキネマと旅鴉 2011-01-17
『青春怪談』(安部豊)[C1955-29]
xiaogang.hatenablog.jp/entry/20110117/p3

*5 Bubble Pop Electric
青春怪談(1955新東宝) 2011/01/18 02:04
blog.livedoor.jp/bonbon229/archives/51157724.html

*6-1 昔の映画を見ています
阿部豊「青春怪談」宇津井健安西郷子上原謙高峰三枝子
2017-03-07 02:41
mukasieiga.exblog.jp/25531712/

*6-2 昔の映画を見ています
市川崑「青春怪談」三橋達也北原三枝山村聡轟夕起子嵯峨三智子芦川いづみ
2017-04-05 23:49
mukasieiga.exblog.jp/25672998/

*7 尾形修一の紫陽花(あじさい)通信
「青春怪談」、セクシャリティの揺らぎー獅子文六を読む①
20/02/18 22:55
blog.goo.ne.jp/kurukuru2180/e/ba14112ca5b310cb8f80517162da9bc6

《上映館公式ページ》
シネヌーヴォ日本映画大回顧展
新東宝 映画まつり
 Preseted by 新東宝キネマノスタルジア
2024.7.6〜9.6 シネ・ヌーヴォ
www.cinenouveau.com/sakuhin/shintoho2024/shintoho2024sakuhin6.html
阿部豊『青春怪談』シネマヴェーラ渋谷。
いかにも頭の回転が速い獅子文六らしい人物批評。ほとんど棒読み状態の安西郷子の芝居にたじろぐが、すべての不安を高峰三枝子と上原謙の芝居がかっさらってゆく。友達の家から壊れた時計を集め、何度も上原の家を訪れる高峰は、くるくる変わる表情含め愛くるして最高でした。
3.5
自由学校の他にもこの頃には同じ原作で競作する企画があったのか。今じゃ全く考えられないな。
バーテン丹波哲郎だったの気づかなかった。
自分はこの母親のタイプも娘のタイプも両方好きっすね。
しかし宇津井健にすると婚前交渉しないのが合理的ということなのか。