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リトル・ガールのminamiのレビュー・感想・評価

リトル・ガール(2020年製作の映画)
3.0
試写会鑑賞。
「泣きそうだな」と予想はしていたけど、わりと冒頭の段階で号泣してしまった。
家族ものはずるいよね…。

MtFでバレエダンサー、且つ家族は理解があるというところで『Girl』と似ているかもしれないと思っていたけど、全然違った。
状況が似ていても一人ひとり思考も価値観もなにもかも違うんだから、そりゃ違うよね。
映画としてはどっちもよい。けど、こちらの方が好みかも。

母の葛藤がリアルで、そこにとても感情移入した。
私が今後子どもを産んで、その子がトランスジェンダーだったら、同じように苦しむだろうと思うのだけど、自身のことで母が苦しんでいたら、余計にその子を苦しめることになるよなぁ、とか、当事者としてはそれがまた辛くて自分の苦しみを正直に母に吐露できなくなる場面もあるかもしれないなぁ、とか。

サシャとその家族を俯瞰で見るだけでなく、同時に自身に投影させて見つめる機会の多い映画だった。

これからも続いていく風景を描く終わり方も素敵。
きっと今後も残念なことに壁は何度も現れると思うけど、一人じゃないと思えたらずっと乗り越えやすくなると思うんだよね。
月並みなことを言うけれど。
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