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瞽女 GOZEのdarumaのレビュー・感想・評価

瞽女 GOZE(2019年製作の映画)
3.9
実在である最後の瞽女(盲目の旅芸人)小林ハルさんを描いた作品。序盤はうわぁめっちゃ時代劇…(演出が。罵声怒号がキツイ)おしんばりの可哀想さに最後まで観られるかしら…と不安でしたが、最後は大号泣。ほんとこういう環状に弱いから…!

子役と成長してからの2人のキャストがリレー形式で繋ぎますが、二人ともめっちゃいい!!最初、子役の子がいい感じになってきた所で変わるので、どうかな…?と思いましたが、最後は圧巻でした。見た事あるけど誰だっけ…?吉本実憂さんか!(言われてみれば。名前は知ってた)

二人目のお師匠さんがいい人で、本当に良かった…
どちらのお母さんも素晴らしい。
中島ひろ子さん、小林綾子さん、素敵でした。
ほんのちょっとだけど、草村礼子さんも良かったなぁ。

エンドロールで小林幸子さんのお名前が!(ビックリ)
どこに出てた…??
公式HP確認してしまった。占い師さんか!
(歌い手になる事を勧めてる、因果関係がうまい)

R指定だったので、その不安はありつつ観ましたが、まさかのそっち…!
よりひどいのか何なのか。
でも、それ以上の不幸が訪れるのかもと最後までヒヤヒヤしながら観たので、そこがピークでホッとした…

歌がとってもいいよね。
目が見えなくても、五感で感じる。
感情を歌にする。
菜の花畑のシーンでそう気づいて、ハッとした。
シンガーソングライターみたいな感じかな、と思いました。
いとみちといい、最近ちょっと三味線の音にハマりそうかも…

わりと昔っぽい演出なので、押しつけ感が気になるかな…?と最初は思いましたが、観終わってみたら、完全に自分を反省してた。。
愛情って素晴らしい。
自分はあまり怒られずに幼少期を過ごしてきたし、親になってからもギャンギャン怒るという事はしたくない人だったが(エネルギーの無駄というか、自分が疲れてしまう)、本気は必要なのかも…と思った。(形にこだわる必要はないかもだけれど)

これも当然最寄りで上映はなく、最初は大都市で、その後頑張れば行けなくもない結構マニアックな映画館でも上映が決まったので、かなり気になっていました。DVD化はされているのかな…?WOWOWで観られてよかった。

1つ思った事。
瞽女の役割についての説明に「各地域の情報の伝達」みたいなものがあった。昔は今みたいにニュースが瞬時で伝わる訳もないので、旅をしている瞽女たちが村から村へ、通って来た村の話をしながら歩いている。これは凄い事だと思う。合理的。どうしても障がい者という括りで見ると、可哀想とかお情け的なイメージになりがちだが、ちゃんと訓練を受けた人たちが芸をしながらそんな重要な役割も果たしている。

現代社会において同じ役割を持たせることは難しいが、でも、逆に「この人たちにしかできない事」をしてもらえるようになれば、社会参加の意味がますます出てくるのではないか…?

例えば自閉症の人で物凄く記憶力が良かったりする方が居るそうですが(ちょっと違いますが、サヴァンの人のドラマとかありましたよね)、そういう、生まれ持った(もしくはそれに起因して会得した)人とは違う特異な能力を、いい意味で活かせる社会になるといいなと思いました。
(居て当然、居ないと困るという、居場所を作る的な…)
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