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僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46のyudaiのレビュー・感想・評価

3.5
モーニング娘。にもPerfumeにもAKB48にもももいろクローバーにもハマらなかったが、欅坂46は正直別格に好きだった。握手会やライブには結局行かなかったけど、CDを何パターンも買ったり映像作品もすべて買い揃えたアイドルは初めてだったので、非常に思い入れが強い。何が魅力かと言われると、目を離していたらあっという間に消えて無くなってしまうんじゃないかと思うぐらい不安定で、およそアイドルという立場では歌うはずもない孤独や集団心理への抵抗をテーマにした曲を歌っていた所と、本映画でも主題となるグループの中心人物で、不動のセンター平手友梨奈の存在感だと思う。
正直、何が嘘で何が真実かなんて、この映画をみたところで、たとえグループのメンバーであっても、スタッフであっても、誰にもわからないんじゃないだろうか。結局は平手なくしてグループは成立しないことが欅坂の最大の魅力であり、同時に問題だったのだと思う。

楽曲で歌われている孤独や抵抗をそのまま表す形で終止符が打たれることはある意味、少なくともメンバーのスタンスには嘘や偽りの無いグループであったことを逆説的に証明してしまっており非常に皮肉である。
そこまでを計算して作り込んでいたのか、テーマを与えたあとは、メンバーの行動に一任していたのか、秋元康や今野義雄の腹の内にこそ本当の嘘と真実があるのだろうか。

いずれにしても、欅坂の活動は終わってしまうので、最後のメモリアル的な記録として見応えはある。劇場の迫力ある音響でライブ映像をみて、それにリンクした舞台裏をみることができるのは非常に良い構成だったし、2時間半という長さも意外と気にならない。
ただ、長濱ねる、今泉佑唯には少し言及されたが、その他の卒業していったメンバーには言及が無いというのが大変寂しかった。

改名後のグループを同じようにチェックしていけるかは、現時点ではわからない。

卒業脱退したメンバーには、気負いすぎず好きな仕事や表現を自由に続けてほしいなと思った。
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