Yoshishun

大怪獣のあとしまつのYoshishunのレビュー・感想・評価

大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)
1.0
“デビルマンであってデビルマンでない”

誰だよ!
令和のデビルマンとか言ったやつよぉ。
デビルマンさんに失礼だろうがよぅ‥‥怒怒怒
あそこまでストーリーが滅茶苦茶じゃねぇし、演者は(多分)真面目に取り組んでるし、急に天気変わったりはしてねぇだろぅが!
デビルマンさんに謝れ!!!
(本作以上にクソな映画は一杯あるよ)


2022年2月に公開され、SNSを中心に年間トップレベルの大論争を巻き起こした大問題作。公開後のプロデューサーのインタビューで「観客に伝わらなかった」「理解してもらえなかった」と酷評の原因を観客自身になすりつける趣旨の発言で、火に油を注ぐ勢いで更に炎上!比較的優しめなFilmarksでも平均2.2という、令和の、それも300館規模の大作でも滅多にお目にかかれない評価を叩き出している。

それもそのはず。
観客の多くは、何らかの攻撃により絶命してしまった大怪獣の死体を如何に処理していくのか?そんなザ・プロフェッショナルばりの非現実的お仕事ムービーを求めるはずだ。ところが実際に流れるのは、死体を巡る官僚たちのしょうもない会議、主人公とヒロインと総理秘書によるしょうもない三角関係、しつこい程に飛び出す下ネタと糞ネタ、そしてトドメを刺すかのような突拍子もないエンディング‥‥と、誰も望まない続編匂わせエンド。最高級の素材を無駄にし、最高級の劇物が提供されたとなれば観客が血眼で本作を袋叩きにしてしまうのも無理はない。
また、監督が著名な特撮作品に対する皮肉として本作のラストシーンがあると語っていたが、きちんと積立られたストーリーのうえで例のオチのある某作品とは違い、本作は単なる逃げ、あるいは夢オチと肩を並べる卑怯すぎる落とし所だろう。同じ流れであってもそこまでの過程の描き方が根本的に違いすぎる。

私自身、少しは贔屓目で見てやろと謎に上から目線で臨んだが、それでも良いところが何1つ見つからなかった。せっかくの松竹×東映の共同配給で資金もたんまりあったのに、噂される製作費20億はどこに消えたのか。成る程、この多額の用途不明な製作費はデビルマンだな。あれも10億がどこに消えたのかわからない。

ともかく、115分という決して長くない尺なのに、体感時間3時間かつ途中何度も眠りかけたので、この作品の持つ破壊力は尋常ではない。見る前からクソってわかっていながらも、やっぱりクソってなるので、本当に時間を無駄にしたくない人はネタバレだけ見ると良い。
Yoshishun

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