mさん

ドント・ルック・アップのmさんのネタバレレビュー・内容・結末

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

世界が滅亡するという事実が判明した。普通はそんなニュース全世界にそれ渡ってどうするかと映画なら3分ほどで描かれるだろう。しかし今回はそのニュースが全く伝わらない。それが140分続いていく。フェイクニュースや情報社会になった今の世の中を皮肉って作ったフィクションだが、続きを見たいと思わせる要素がいくつかあるので、割と最後までみれた。ニュースを送りたいけど他の部署をたらい回しにされて伝わらないって序盤の展開が永遠に続いたらつまらなかったと思う。だけどずーっと繰り返されるのではなく、ニュースが伝わらない、伝わらない、伝わる、だけど別のニュースが伝わる、ニュースが伝わらない、ニュースを伝えたいと思わなくなると言った風に、ニュースに対する向き合い方がちょっとずつ手を替え品を替え変わっていくので面白かった。例えばレオナルドディカプリオがはじめは緊張しっぱなしなのに、大きなメディアに出て影響力を持つにつれてどんどん気が大きくなっていき、緊張が解けて、カメラの前でも余裕になっていく様は人間がメディアによって大きく変わっていくようで凄い興味深かった。ニュースをもう伝える気がなくなって目の前の名声にすがってしまう様はレオナルドディカプリオの演技力も相まって凄く説得力があった。

あとニュースがテレビ番組で流れている時にそれを見ている人のリアクションと並行して色々なものがカットバックされていくのが面白かった。カットバックが過剰に入ることでニュースに集中できないような作りになる。これは普段の私達がニュースをどれだけ適当に聞いているかを追体験させることができる。更にカットバックという映画的な手法も盛り込むことで、同時並行的に物語を進めて観客の興味を持続させることもできる。これは面白い編集だなと思った。


ただやっぱり適当なところはある。タイムリミットがある中で、あの隕石を採掘素材に使う計画に反対したディカプリオ達が自分たちで隕石の軌道を帰る実験を行うが、確か隕石が落下するまで6日みたいなところから実験の準備が始まってたので流石にそんなはやくねーだろと思ってしまった。

あと100分超えたあたりで新キャラが出てきたりそういうのは凄いなーって思った。
mさん

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