スワヒリ亭こゆう

空白のスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

空白(2021年製作の映画)
2.5
古田新太主演映画で予告を観ると面白そうだと思って観てきました!

『空白』
観終わった後も余韻が残る映画ですね。
『空白』というタイトルの意味はなんでしょうか。死んでいった人や無くなったものたちが在った場所や時間のことかもしれません。


本作には決定的なカットが足りないんです。
添田(古田新太)の娘がスーパーで万引きしたと言われ店長(松坂桃李)に捕まり腕を引かれるんですね。
で、娘は逃走して店長は追いかける。
捕まえられそうになり手を振り解き車道に出た車に撥ねられ、対向車線へ。
対向車線のダンプカーに轢かれて亡くなってしまうんです。

その後、添田は店長を恨み、また学校で何かあったのでは?と学校へ行ってイジメは無かったかと言い掛かりをつける。
店長は追いかけた事により、少女を死なせてしまった事。さらにマスコミや近所から苦情や嫌がらせを受ける。
1人の少女の行動が原因で負の連鎖が起こってしまうんです。


で、僕はずっと少女が万引きしたのか?それとも冤罪だったのか?
これが気になってたんです。
マニキュアを万引きしたと言われてましたが、ポケットや鞄にマニキュアを入れたカットは無かったんです。
中学生がマニキュアを手に取ったら店長が少女を呼び止めて腕を掴んだんです。
で、カットが無いだけで万引きしたんでしょうか?分からないまま、ストーリーは進むんです。
で、しばらく経って添田と離婚した亡くなった少女の母親(田畑智子)が線香を上げに添田の家を訪れたときに透明のマニキュアだったってセリフがあったんです。という事はやっぱり万引きしたのかぁと思ったんですよ。

映画を見終えて本作の公式サイトを観たら万引き未遂って、はっきりと書いてありました。
これを観て唖然としました。
万引き未遂なら松坂桃李演じる店長に完全なる落ち度がありますよね。
そもそもポケットや鞄に入れる前に声をかける時点でダメだし、ましてや腕掴んで裏連れて行こうとしてる時点でダメじゃないですか。
何もしてないのに逃げた少女の理由は父親が怖かったんでしょう。万引きで捕まった時、1番最初に頭に浮かぶのは親の事でしょう。
それが冤罪でも頭に浮かぶのは親です。
で、添田という父親がどういう人間かを冒頭で見せてるので少女が逃げる気持ちはわかりますよね。絶対、万引きしてたか?未遂なのか?冤罪なのか?ハッキリさせた上で見せて欲しかった。

公式サイトを見て、この事実を知った今、一体何を見せられてたんだろうと思いますね。


あとこの映画を観る前から川崎で起きた事件を基にしてるんだろうと思ったんです。
川崎の古本屋で万引きした少年がいて、警察を呼び身柄を渡したら、そこから逃走して線路に入ったところを電車に撥ねられたらしいです。
古本屋に対して嫌がらせが起こり、古本屋は閉店を余儀なくされてしまった事件です。
でも、この実際の事件は万引きしたんです。更に警察に身柄を渡した後に逃げてるんです。
万引きしたら警察呼ぶのは当たり前だし、逃げて亡くなったのなら警察に落ち度があります。なのに地域からは古本屋に苦情や嫌がらせが起こったらしいんですね。
で、この事件では僕は古本屋は一切悪くなくて逃げられた警察と万引きした少年が悪いと思うんです。
この実際の事件を頭に入ってると尚更、本作はややこしくて万引きしたのかな?って思ってしまいますよね🤔


やっぱり万引きしたかどうかのカット割は絶対必要だと思いますね。