スワヒリ亭こゆう

碁盤斬りのスワヒリ亭こゆうのネタバレレビュー・内容・結末

碁盤斬り(2024年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

恥ずかしながら、僕はこんな名前を付けているにも拘らず『柳田格之進』という古典落語を知らなかったんです。
初めて本作で『柳田格之進』を観て、噺の面白さに感服しました。素晴らしかったです。
落語は【江戸の風】という立川談志師匠の言葉があります。
本作は正に【江戸の風】を感じさせる映画でした。
ストーリーは古典落語を基に作られたので面白いのは当たり前ですが、脚色の部分も充分に面白いですね。
基は人情噺らしいのですが、それ以上のストーリーに仕上がっています。特に柳田格之進(草彅剛)とお絹(清原果耶)は見事です。
草彅剛さんの演技は武士の心根を見事に映し出し、娘のお絹を演じた清原果耶さんの涙の演技は見事でしたね。

⚠️⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️


⚠️⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️


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二人の事を同情し、有らぬ疑いをかけられた武士の生き様を現代人にも分かりやすく描いています。この辺りの脚本は上手い。
柳田格之進の過去への落とし前と今起きてる疑い。どちらも見事なストーリー展開で面白かったしハラハラします。

いわゆる噺のサゲは落語では良くあるタイトルがオチになっている。これは予想出来た人もいると思いますが、そこからまた立ち上がる柳田格之進を見せる事で映画として成り立たせている。
落語は【業の肯定】は立川談志師匠の言葉、
映画は【業の克服】と言ったのは弟子の立川志らく師匠。
つまり柳田格之進の業の克服の物語にサゲを持ってきたから本作は素晴らしい。そして古典落語の様に何度でも観れる映画になったんじゃないでしょうか。
今観終わって、早速レビューを書いていますが、また草彅剛さんの柳田格之進と清原果耶さんのお絹をみたくなっています。
噺に大きく関わる萬屋源兵衛(國村隼)弥吉(中川大志)も良かったし、キョンキョンのかっこ良さもありましたね。
嘘偽りの無い侍だからこそ成り立つ痛快エンターテイメント!素晴らしい作品でした!
白石和彌監督と草彅剛さんの映画ですから、それなりに期待をしていたんですけど、それ以上の出来栄えです。
プロデューサーのCULENの飯島さんの手腕も凄い。この人が携わるとハズレないですね。お見事です!