「空白」
いったい、何の空白なのか。
いったい、誰の空白なのか。
どうやって埋めたらいいのか。
見終わった後、
いつになくモヤモヤしている自分がいた。
あんな風に周りを巻き込んで、苦しんだ人もいる。死んでしまった人もいる。
なのに、当の本人が救われようとしている。なぜなの?あの死んでしまった娘さんは帰ってこないのに…
けれど、そう思う私もまた、
自分の目だけでしか世界を見れていないのだ。
ほんの少しだけ、自分が放つ言葉に、自分の態度に、自分が正しいと信じていることに、それを受ける人の気持ちを想像できたなら。
娘のいなくなった「空白」
父を救えなかった「空白」
自分の正義が満たされなかった「空白」
「空白」
空に浮かぶ雲のようにただそこにあることを、知れただけで十分なのかもしれない。