途中まではちょっと戯画的に感じたけど、折り合いを付けるために描いたことない絵を描いてみたり、少女マンガを読んでみたり、あるいは店長とちゃんと向き合ってみたり、明確な処方箋がない中で、いろいろやりながら折り合いをつけようとする父親の姿はよい。そういう立場になったらそういう感じになるのかもなあと思った。
そんな中でも、ぬいぐるみの中に化粧品を見つけたら公園に捨ててしまうんだよな。一瞬なんでって思ったけど、でもある一点を境にして黒から白にひっくり返るなんてことはないわけで、そういう意味で必要な場面だし、ああいう人の分かりづらさ紐解けなさが描かれてるのが好き。
ただ、父親が変化するきっかけになった葬式なシーンは分かりやすすぎるかなあとも感じる。加害者の母として被害者の父に対するベストな対応かもだけど、白さ100パーすぎるような。当然、そういう劇的な出来事を目にして変わるってのもあるんだろうけど。ただあの場面の母の表情の中に忸怩たる思いが込められているのかもしれないから次はそこをよく見てみなければ。
あと、ぱっと見ワルっぽいひとが良いやつってのは嫌いじゃないけど、最後のシーンでもう一人出てきたのでうーんって感じ。
