最初から終盤まで、エグすぎる…
この作品は、「面白い」作品ではなく、「考えさせられる」「心に刺さる」作品です。
メディアの報道と嫌がらせをする部外者以外は、誰が&何が正しいのかわからなくなるほど、怒りのやり場がない展開がかなり長く続きます。
そしてこれが「本当に起きてしまいそう」、というリアルさがそのやるせなさ、ひいては恐怖心を助長します。
物事は、視点によって見え方が変わるし、自分の見える範囲の情報だけでは判断できないことの方が多い、という当たり前のことを、これでもかとエグい方法で見せてくれた、という意味で良作でした。
せめてもの救いはいくつかあるので、それを心の拠り所になんとか見切れました……
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・内気で、学校でも他人と関われない娘
・人当たりが強く、娘を顧みない、独りよがりな漁師の父親
・気弱で、どこか人を寄せつけない雰囲気の、スーパーの店長
あらすじにある通り、娘がスーパーで万引き(のように見える)行為をし、店長が追いかけたことで不幸な事故が起きるところから物語が動き出します。
前述の人物に加えて、以下の2人も物語の軸になります。
・最初に車でひいてしまった(直接の死因ではないけど)ドライバーの女性とその母親
・"正しさ"と"善意"を振りかざす、パートのおばさん
これらの人物を、メディアによる執拗な取材、切取り報道、歪曲報道が掻き回します。