カッキー

空白のカッキーのネタバレレビュー・内容・結末

空白(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

何とも痛ましい事故シーンが忘れられない。
万引きをした女子中学生を捕まえた店長。
逃げ出したその子を追っかけるも、車道に飛び出し、2度轢かれて死んでしまう。

誰が悪いのか、裁かれるべきなのか。
店長は中学生の父親や、メディアから責められ、終いにはスーパーは廃業に追い込まれる。
最初に轢いてしまったドライバーは自殺。
父親は、行き過ぎた言動で、被害者の父親なのにメディアや、世間から批判されることに。

切り取られたコメントを流すメディアと、それを鵜呑みにしてしまう世間。
当事者に対して、自分の正義を押し付け、大丈夫だと言う他人。
客観的に見て、考えさせられたし、
こんな事件、実際にありそうで辛かった。

父親は、亡くなった娘への想いから、追いかけた店長や、学校の教師を責めるが、実は娘のことなんて全然向き合ってこなかった、昭和カタギの頑固な父親が哀れだった。

救いなのは、父親が娘が亡くなってから、向き合うことになり、娘が好きだった絵を始めて、娘と同じ題材の絵を描いていたことで、気持ちが救われたことだろう。
一筋の光が射した。
カッキー

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