からあげ

空白のからあげのレビュー・感想・評価

空白(2021年製作の映画)
3.0
古田新太が演じているからこそなのか、街中で出会いそうな登場人物たちが多く出てくる作品だった。

映像作品や、書籍に出てくるような、登場人物登場人物した人物が1人も居なかった。
きっとこのようなことが起これば、それぞれの人物はこのように行動するのだろうな…こんな人がきっと現実世界に存在するな…と心底思えるようなストーリー展開だった。

ただ、登場する人が揃いも揃って、飾り気がないからこそ、人間としての汚い部分が鼻につくというより、言葉を選ばずに書くと不快だった。

娘と向き合わなかった父親が、いざ向き合うべき相手を失い、行き場のない怒りをぶつける姿。
父に心を開くことができず、父の中での娘像から少しずつズレが生じている娘。
自己保身をしつつも、ストレスに完全にフタをすることもできないスーパーの店長。
店長の心配をしているというより、自分の欲求や自己顕示欲の塊のパートの女性。

救いもなく、解決もなく、ただ深い思考の穴に落とされて終わったように思う。
からあげ

からあげ