たかし

アイヌモシリのたかしのレビュー・感想・評価

アイヌモシリ(2020年製作の映画)
4.0
アイヌの伝統や文化がリアルに描かれていた。
主人公のカントも北海道アイヌ地域に住む少年が演じていて、初めての演技とか思えないほど、むしろ初めてだからか、日常のリアルな声量や発声の仕方でみていて映画とドキュメンタリーと掛け合わせたような感覚になる。
クマを矢で撃ち抜き神様に捧げると言う伝統の精神儀式にカントは強い疑問を持ち、葛藤する。しかし、止めるまでには至らずカントはそれをみることしかできなかった。
僕はその姿を見てとても美しいと感じた。
なぜなら、アイヌを愛する少年、クマを愛する少年のあたりまえなことだと感じたからだ。
今はその儀式は廃止されて行ったらしいが、原始的な自然的な、人間の精神的行動は否定されるべきでも、皆に肯定されるべきでもなく、ただそこで彼らの強い眼差しと信念で天に成されるべきだと思う。
人間の精神は如何なる時代もその時にあった方法で保たれ、次の世代へと受け継がれまた、どこかですこしづつへんかしていくものなのだろう。
そこには答えを出すべきでもなく、ただ人間も一、動物としてその精神に流されていけばいいのだと感じる。そこに愛が存在していればそれはまた愛となってどこかでつながる。
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