このレビューはネタバレを含みます
【主人公の動機に納得できないまま進む】
■脚本が破綻している
主人公・田端楓の復讐の動機が「私怨」。その動機の弱さゆえに、あんなに情熱を燃やしているのはなぜだ?と引っかかってしまい、以降、納得できないままに物語は進み終わった。
もちろん、動機への納得感が全てではないが、ひとつひとつの行動やセリフや演出が点にはなっているものの、線になるまでにはなっておらず、かといって観客の想像力を活用するような演出でもなく、結果として動機に深みが得られなかったように感じた。
■映像も怠慢が見えてしまった
また、映像表現としても「こんな感じでしておけばいいでしょ」という撮影者・制作者の怠慢を節々で感じた。
例えば、最後半の「もしなりたい自分になれていたら」のシーン。エモく撮っておけばいいだろう、というふんわりした感じが画に出ていて、大変に残念だった。
杉咲花に演じさせるなら、演出も映像ももっともっとこだわってほしかったな……