幼少のチャップリンは経済的に窮乏していたらしいが、この頃はすでに人気が高騰し、当然女性との浮名も多くあった様だから、映画のチャップリン像は実像ではない。
しかし正直者でドジな浮浪紳士のキャラクターは愛されて然るべきだ。
盲目の花売りに恋をして、酔っ払い富豪の入水を思い止まらせ、酔っている時だけ友好を温め、泥酔している彼に貰ったお金で彼女を救う。
浮浪紳士の出来る事を全てして、自らは刑務所暮らしを経て偶然再会を果たす。
冒頭シーンの記念像は、わざわざこの映画の為に新造されたものだろうか?
彼のいく道の背景に、クラッシックカーが元気に街を走っているだけで感慨深いものがある。
ボクシングシーンのテンドンは、分かっていても面白い。
監督・脚本・製作・主演一人四役だから、妥協しなくて良かったものの、トーキー黎明期で葛藤も大きかったそうだが、最後のサイレント映画として見応えもあった。
所であの富豪の悩みって何?