このレビューはネタバレを含みます
異食症の女性を描いた物語。異物を飲み込むという猟奇的なシーンを美しい色使いや綺麗すぎる豪邸が際立たせていた。
ビー玉を食べることから始まった、彼女の異食行為は周囲の環境、人間関係から生じる母親としてプレッシャーや家事を無限運動的にこなすことへよカウンターであったように序盤は思えたが、彼女の母親つまり自らの出生に関する壮絶な過去へ向き合うきっかけになったようにも終盤の流れを観て思った。
終始女性トイレの洗面台を固定で映し続けるエンドロールのシーンは、ずっと観ていた異物を食べるシーンが持っていた非日常(私にとっては)からいきなり日常へ戻されたように感じ、ものすごく印象的であった。
特に好きなシーンは、彼女が家を飛び出した後にモーテルで土を食べながら子どもが栗を食べているCMを観るところ。
終盤になってこの世界に見慣れたきた私にとってこの異常な画が、太った子供がジャンキーなお菓子を食べながらテレビを見ているのと同じように感じたのはおもしろかった。