特濃ミルク

Swallow/スワロウの特濃ミルクのネタバレレビュー・内容・結末

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

 妊娠をきっかけにいわゆる異食症を発症して(実際妊婦の発症が多いらしい)、身の回りの金属類やガラス製品をゴクリと飲み込み始める主人公…果たして無事に出産できるのか…。題名もそのまま「スワロウ」(飲み込む、嚥下する)となっている。
 これは…フェミニズム映画なのかな。「俺が金稼いで何の不自由もない暮らしをさせてやってるんだから、ちゃんと子どもを産み育てろ」そんな父権社会の重圧を拒絶するように、否上手く拒絶することができずに色んな物を「飲み込む」主人公。異食症は妊娠に伴う栄養不足から起こるのではないかとも言われているらしいが、この場合ただ栄養補給しただけじゃ治りそうにない…。
 ラストシーンを経て、陳腐な表現ながら思うのは、彼女に必要だったのは「飲み込む」ことではなく「吐き出す」事だったのではないかな。まあそれが簡単に出来れば苦労しなけりゃ土も食わねぇけど…。
 …倫理的にはよろしくないかもしれないが、最後の吐き出しによってようやく肩の荷がおりたような、安堵した感があったな。まさしく解放されたような。
特濃ミルク

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