Baad

五線譜のラブレター DE-LOVELYのBaadのレビュー・感想・評価

2.5
素材もテーマも良いのだけれど肝心のミュージカルシーンの出来が凡庸で、前半はちょっと退屈しました。信頼している映画blogでの評価が今ひとつでしたのでミュージカルとしての出来は期待せずに2番館に落ちてから見に行ったのですが、正解でした。

内容はコール・ポーターとその妻の友情の物語で、パトロンともいう立場だった妻の辛い心情を丁寧に描いています。アシュレイ・ジャットはハマり役でしたが、主演は演技はともかく、年齢的にはもう少し若い役者さんを探した方が釣り合ったのではないでしょうか。

この監督の映画は赤狩りをテーマにしたものも見たことがありますが、わりと平凡な出来で、正直そちらでもこの映画でも自分で監督などせずにプロデューサーとして関わった方が良かったのではないかと思いました。

この年の映画ではスコセッシの『アビエイター』やケビン・スペイシーの『ビヨンド・ザ・シー夢見るように歌えば』のミュージカルシーンの演出の方が遙かに気が利いていましたから、今でもこれ以上の演出が出来る監督はざらにいるのではないかと思います。

いちおうMGMの映画なのですから、もっとちょっと楽しませて欲しかった。あくまで舞台のオマケといった位置づけの演出だった『オペラ座の怪人』よりはましでしたがもうすこしなんとかならなかったのでしょうか。

(日本初公開時劇場鑑賞)
Baad

Baad